科学技術者の不遇に対する反響
実はだいぶ前になりますが、私のメールに、コラムの反響がありました。
科学技術者の不遇に関してのコラムについてでした。
まずは、正直言ってこんなコラムを真剣に読まれていて、更によく考えて意見を仰っていらして、こんなコラムでもキチンと読んで頂けて嬉しい限りでした。
一方で、一部の十分な裏取りが無い部分などについてはお叱りを受けたりもしました。
今までは、読む人もあまりいないだろうと思って自分で適当に思った様に書いてました。
もちろん、ウソを書いたりはしていないつもりですが、不十分な部分も多かったと思います。
これからも人間すぐには変われないですし、このコラムは私の勝手なコーナーなので限界もありますが、今までよりは責任を持って書きたいなーと思いました。
また、何かこういったコラムの文ばかり書いているとF-15ってただの文句いいではと思われるかもしれません。
しかし今のご時世、色々な情報が氾濫していますよね。その中から、必要な情報と必要で無いもの。ホントとウソを見分けるのは重要ですよね。また、有名なテレビ局や新聞社などが言っているから本当とも限りません。
ですから、こういったコラムで皆さんが少しでも疑問を抱いてもらったり、興味をもっていただければF-15としても嬉しいと思っています〜。
それから、丸投げする訳ではありませんが先に述べたように、もちろんF-15も間違った情報を書いている可能性もあります。ですからこれからも鵜呑みにせずにこのコラムも考えながら読んでみてくださいね〜。
ところで、そこで色々とコラムに関する話題について意見の交換をしました。
今回は、そのなかで前回に説明不十分だった部分などを色々とお話していきたいと思います。
まずは、科学技術者の賃金体系などの欧米型が良いか、日本型が良いかといった話になりました。
欧米型とは有力な特許が出来た時に出来高払いで決める方式を主に指します。
一時金が高いですが、お金にならない特許や特許が出来なかったりすると大変です。
日本型は、今までの様な横並びの賃金体系です。
これに関して、私のコラムを読まれて欧米型への移行を支持していると思われた方がいらっしゃるようですが、私はそうは思いません。
日本には日本なりの良さがあります。たとえば、発明や研究は一日で結果の出るものばかりではありません。10年先まで結果が出ないかもしれないし、半年くらいで出るかもしれません。そう言ったリスクを企業に受けてもらえる現在の方式の方が安心して研究したり継続して研究しやすい環境ですから、長い目で見た研究などがしやすかったりする訳です。
つまり、それが一概に悪いとは思いません。
しかし、一方で頑張って成果が出たのに全く何も無しでは変だと思うのですよ。
もちろん企業側にリスクを受けてもらっているので、欧米並に一時金を出して欲しいとは言いませんが、営業職とかでも成績トップで、ずば抜ければ金一封が出たりするかもしれないですよね(私は会社員では無いから解りませんがね)。
そう言った事が技術系職にも有って良いと思うのですよ。
その方がやる気が出ますしね。
また、前回取り上げた特許などは普通の物とはひと味違ったものですし、あの特許料収入に対しての換算ではもっと対価が支払われて良いのでは、といった事で書きました。
ですから欧米の様にすれば良いという意味で書いた訳では無いことをご理解頂きたいと思います。
どのような事柄でも何でもかんでもそのまま真似ては上手く行かないものです。
つまり、これからは今までに文化や学問などをそうしたように、欧米の良いところをもらって、日本風にアレンジしていけば良いと思います。
入試や大学での講義について。
数学が受験で無いとか色々と書きましたが、私のいた高校の学生のほとんどが私立の文系だったために、十分な裏取りもなく書いてしまいました。すいません。
実際には文系でも国公立をはじめ、入試に数学がある大学は多くあります。
また、文系は遊んでいるように書かれているとのお叱りも受けました。
私は全くそんなことは思っていません。私の今いる大学は1年次などは文理どちらも一緒なので文系の方は文系の方で大変なのは十分承知です。
そう取られたなら文才不足で申し訳ありません。
しかし、一方で数学V・Cや理科系のUを高校でしなければならいため、若干詰め込み気味になる。
基礎科目が多かったり実験が入るため、大学1、2年の教養ではコマ数が多くなりがちというのは事実です。
だから必ずしも大変だとは言いませんが、そう言った理系学生の生活にも目を向けて頂けたらなぁと思って書いてみました。
だってドラマとかでも専門学校生や医学生や文系学生が出てくるのって多いですが、理系学生って少ないじゃないですか〜。
理科離れと官僚などの理系不足
これに関しては、寄せられた意見でもその通りに思ったとの事でした。
まず、官僚などに理系が少ないのは先のコラムにも書いた通りなのですが、他にも理科離れと関連する項目で教科書審議委員などの問題もあります。
昨今、教科書審議といえば社会や国語の教科書の事ばかり取り上げられています。
もちろん、国語や社会も大変重要ですから審議をしてもらうのはいいのですが、どこの教育委員でも審議委員はほとんど全員が文系でして、理科や数学の教科書をどこまで真剣に考えてくれているのかいささか疑問です。
無論、文系出身の方からみた理科教育なども重要だとは思いますが、専門家である理系出身者がいなくて本当に何が今、必要な理科教育なのか解るのかという事も考えなくてはいけないと思うのですよ。
そう言った結果が、今の高校物理で電磁気学を始めに行うといったちぐはぐな教育になっているものと思います。
ちなみに、物理には力学、熱力学、電磁気学などがありますが、力学が物理の全ての基本ですから、最初にやらないとならないのですが、先のゆとり教育化の際にIT教育の一環だかで、何故か最初に電磁気を教える事になったそうで、解らない人が却って続出したり、あえて順番を今までに戻しているそうです。
私的には必ずしも「簡単=楽しい&解りやすい」訳では無いと思うのですよ。
難しくても秩序立てて理解すれば解りやすい事や身近な事と組み合わせれば面白い事も多くあると思います。
そう言った事を考えてもらいたいと思いますね。
ただ、他方で科学手品実験などを始めとして、新たな面白い分野の開拓も出てきています。
今後の再興を期待したいと思います。
専門家と一般の人の融和や文理融合
それから今まで散々、理系の話ばかりしましたが、ご意見を寄せて頂いた方は文系の方です。
そこで、最後にはお互い、これからは専門家と一般の方との歩み寄りが必要だという事で一致しました。また、これは直接は出てきませんでしたが、文理の融合にも繋がってくると思うのですよ。
たとえば、開発、研究職の人が開発ばかりしていれば良いかと言うと、予算の関係もありますし、開発する物はお客さんが必要なものでなければダメですよね。ですから営業や事務などの仕事を知っておいたり積極的に意見交換をした方が良いと思うのですよ。
もちろん、逆に営業の人が製品や開発の情報などを身につけたり、事務の方が有る程度開発現場を知っていたりとかした方が色々とスムーズだと思います。
他にもたとえば、裁判などでは科学的証拠の提出が求められることも多いですし、文学でも考古学では炭素14年代測定法などで科学の知識が必要だったりします。
これからは、こういった融合型の学問や職業が増えてくるでしょうし、相互の融合、理解が必要だと思うんですよね。
それから科学に限らず一般の方と専門家との歩み寄りも必要です。
今までは、一般の方の中では技術開発などは誰かが知らない所でやってくれている。
知らなくて結構、と言った感覚があったと思うのですが、これからはもっと興味を持って色々取り込んで欲しいと思いますし。
他方で、専門家も今までは知ってもらわなくても結構、と言った感じでしたが、これからは解りやすく説明する必要があると思いますし、これからの専門家には解りやすく説明できるという事も必要なスキルになってくると思います。
もちろんこれは、科学技術に限らず、薬学、医学、法学、経済といったこと全てに当てはまると思うのですよ。
もしかしたら私たちはそう言ったことの転換期にいるのかもしれませんね。
皆さんもこれからは、こういった様々な事象に興味を持って頂けたら幸いです。(もちろん私もですがね〜)
それから今回のコラム作成に当たって、ご意見を頂きました方にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
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