選挙の裏側〜投開票バイトは見た
さて、昨今若者の政治離れが叫ばれています。
しかし大切な一票ですから大事にしたいですよね。
でも一方で、政治家は何をやっているか分からないとか誰が良いのか。
などなど問題は山積み。
更に若者の政治離れを促すような教育や社会などといった要因もありますが、ここは少し離れて、投開票をどちらの事務のバイトもやったことがある、F-15が選挙の事務裏側を話したいと思います。
ただ、選挙管理委員の方に迷惑にならない程度に書きますので、一部に納得の行かない点なども多くあると思いますがご了承のほどを〜。
それから雰囲気や事務の説明はS市の選挙を基本としており、必ずみなさんのお住まいの地域と同じ雰囲気や状況とは限りませんので悪しからず。
選挙を見に行こう〜気分は選挙会場観察会
選挙に行かない方も多いと思いますが、それは勿体ない。
最悪は白票(何も書かない票)でも良いですから、出向いて選挙権を行使してみましょう。
そこまでかしこまるのが嫌な時にはいっそのこと投票所ってどんな所?という気分で見に行ってみるのも良い経験かもしれませんよ。
ついでに選挙のときの係りの人は何をしているのか?という事にもお答えしましょう〜。
投票が二倍楽しくなるに違いありません(マテ
まず、係りは大まかに管理職と事務職に分かれます。
管理職
主に選挙管理委員や役所の管理職の方がなります。バイトなどがなることはありません。
仕事は、会場の管理や統括です。
投票管理者
投票所の一番エラい人。この人が投票所の総責任者で、投票所の開所、閉所などを行います。
職務代理者
副管理人の様な存在で、管理者の方が休み時間の時などに代わって責任者となります。
投票管理者と二人いるときには雑務をしたりもします。
事務管理者
実務の上では一番の方で、分からない事があるとこの方に聞けば大抵はわかります。
他の事務職全ての統括者の方でもあり、頼りになります。
事務職
こちらはバイトなども人員に加わります。主に雑務が中心ですが、バイトであっても国政や地方自治を司る重要な選挙の職ですから、守秘義務などが課せられます。
受付係
選挙会場に入って一番初めにいる人で、受付を担当します。
名簿対照係
○○さんですか〜?と聞いてくる人で、名簿とその人との確認をします。二重投票防止のためでもあります。
用紙交付係
投票用紙を交付します。一人に一枚しか交付できませんので、意外に気をつかって配ってます。
総務係
休憩時に各係りとの交代要員となったり、会場の整理、記載台の鉛筆の交換。発行した投票用紙と選挙はがきとの枚数に間違えが無いか確認したりと様々な用務をこなします。
それから町内会などの外部の立会人が二人(休憩時に空にならないように配慮)で投票場は運営されます。
さてさて、まずは7時から投票開始です。
投票管理者の方の開場の合図とともに始まります。
この時間に一番最初に来た人、それから立会人、投票管理者の三人で投票箱が空であること、それから投票箱に鍵がかかったことを確認します。
早起きして一番になるのも良いかもしれませんが、どこの地区でも一番を目指して来る方がいるので競争率は高いかもしれません。因みに私が担当したことのある場所では、これを楽しみに5時とかから並ぶおじいちゃんがいました。。
それから時間ごとに混む時間、空く時間があります。
始まってすぐ。それから8時から11時頃まで。13時半頃から16時頃、17時から18時などは混み合います。つまりは食事時などは空いていて、朝は早朝散歩のお年寄り、10時頃はゆっくり起きた人や買い物ついで、夜はレジャー帰りといった客層?になっていて混みます。
混む時間はどうしても係りがオツカレモードになり気味。
もちろんいつでも良いのですが、投票所をゆっくり見学しながらしたい方や気の届いたサービスを求められる方はこの時間は外した方が無難かもしれません。
それから最後の方の時間もオツカレ、もう終わりモードになり気味ですが、最後の時間になると、空いていたりで良いこともあるので、ファジイが好きな方は最後に駆け込むのも一興かもしれません。
なお、投票所が開いている時間は7時から20時までです。
最後の時間は投票所に入る時間なので、20時以降でも既に入っていれば投票権が発生します。
さてさて、まずはあなたは何となく、投票所に来ました。
するとまずは選挙のはがきが無いことに気が付きました。
しかし帰る必要はありません。
選挙はがきとは
選挙の投票日前に届くはがきです。これがあると投票がスムーズに行くので持って行くのがベター。しかし、時には無くしたり忘れることもあると思います。そういう時の対処法。
まずは、届かなかった時
このときは、主に二つ場合があります。
同一選挙区で引っ越しして届かなかった場合など。
この場合は投票権があります。場合によっては宛先間違えとなって投票所で保管されている場合もありますので、聞いてみましょう。
それ以外の引っ越しなど。
投票権が有る場合と無い場合があります。投票所で聞いてみましょう。
忘れた〜。もしくは亡くした〜。
これは投票権があります。
投票所に住所が証明できる身分証明書。たとえば運転免許証などを持って行きましょう。
はがきを再発行してもらえます〜。
さてさて、ようやくはがきを手にしました。
するとまずは受付係なる人が笑顔で?迎えてくれます。
すると1.2.3といった番号やa.b.cはては、い.ろ.はなど何かしらの識別で分類された先に行くように言われると思います。
ここでは主に入って来た人数把握と次に待ちかまえる名簿対照への誘導が行われます。
また、投票所の間違えが無いかどうかのチェックも行います。
名簿対照とは?
選挙権のある住民票が載った一覧と来た人とのチェックを行います。
これにより二重投票を防止するのですが、大抵はこの作業が一番時間がかかるので、待ち時間が長くなりがち。
そこで、大抵は住所ごとに複数の区画に分け、その区割りごとに名簿対照を行います。
しかし、なぜか来るときには同じ住所付近の方が大挙して来られて、並んだりすることも多いです。
さてさて、名簿対照も済み、あなたに投票権があることが確認され、用紙の交付となります。
場所にもよりますが、国政選挙(国会の選挙)では選挙区から行うことが多いようです。
続いてはがきにチェックを入れられ、用紙交付係から用紙を受け取ります。
ここでも間違って二枚とかの用紙が渡されないように実は気をつかっています。
また、水などに濡れると投票用紙が折れたまま開かなくなったりで、開票の際に大変なのでそういったものも使えないのです。なので大抵はゴムの指サックをしています。
さてさて、用紙をもらったはいいのですが、実はあなたは手をけがしていて字が書けません。
この場合は、どうしましょう。
こういう時には代理投票できます。
これは代わりに字を書いてもらうもので、投票所の係員と投票管理者の二名で行います。
係員は職員なら基本的に誰でもよく、投票者の言ったとおりに書きます。
手が不自由程度なら良いのですが、目が見えない場合はもしかするとウソが書かれないように、投票管理者の人が監視役として付き、投票者の意志通りに書かれていることを確認します。場合によっては立会人も同席します。
また、目が見えない人には点字投票。車いすのままや椅子に腰掛けて書ける記載台もありますので、聞いてみましょう。
さてさて、選挙区投票が済みましたが、これで帰っては勿体ないです。
毎回、これだけ終わって全て終わったと思われて帰られる方がいますので〜。
まだ、比例代表や最高裁判所の裁判官の審査があります。(地方選ではありません)
因みに比例とか選挙区という言葉などが分からないという方はマジメな他のサイトさんをあたってみて下さいな。
ここでも用紙を交付され、はがきにチェックを入れられ、用紙が交付されます。
ところで、これらの選挙ですが個別に棄権することも実は出来ます。
たとえば、選挙区や比例は入れるけど最高裁の審査はしたくないとか言うときにはその趣旨を伝えれば、棄権出来ます。
ただ、何も言わずに帰られるとあとではがきの枚数と交付枚数が合わずに問題となりますので、その趣旨を伝えて、はがきを回収してもらいましょう。
棄権も一つの選択ですから、堂々としましょう。
普通の方でも最後の用紙が交付されると、はがきは回収されます。
つまり「はがきが手元にある状況=投票権を使い切っていない状態」ということになります。
さてさて、順調に進んでいましたが、今度は字を間違ったり、途中で候補者の心変わりしてしまいました。さてどうしましょう。
通常は二本線などで訂正すればOKです。ただし、どうしても修正不可能なくらいまで間違った場合は仕方がないので、再発行してくれますが、再発行は煩雑で待たされます。
なるべくミスをしないようにしたり、線で直しましょう〜。
それから後の開票で詳しく述べますが、候補者名などに付いての記載は極力、投票者の意志がくみ取られるように開票しますので、たとえば全てひらがな、カタカナで書いたり、少々の誤字などは問題ありません。
それから投票箱の間違えも、大抵は開票所で直されるので気に病まなくても結構ですが、なるべく所定の投票箱に入れましょう。
さて最後の用紙を投票箱に入れて、あなたの仕事は終わりです。
余裕があれば町内会の人や投票管理者に会釈でもして下さい(笑)
因みに他にも〜
当日、誰に入れるか決めていない人の為に選挙公報が用意してあります。
席も用意してあるので、ゆっくり考えて決められます。
その趣旨(選挙公報を見たい)を話せばちゃんと対応してもらえるはずなので、焦って決める必要はありません。
インターホーンがあって、押すと係りの人が来てくれます。
どうしても何かあれば押しましょう〜。たとえば介護が必要とか。イタピンはしないでね(笑)
出口調査
こちらはマスコミが行っています。20代とかは来る人が少ないので早い時間にいけば間違いなく協力を求められます。任意ですが、時間があれば答えてあげても良いでしょう。
因みに出口調査の人もバイトだったりしますが、外でやるぶんハードですし、大変そう。
なお、出口調査の始まりと終わりには担当者が、選挙の管理者の人へ挨拶をしにくるのが、慣例のようだ。
変わった、お客さん(投票者)
毎回、必ずいるのが、少し変わった人。
例えば、午前中から赤ら顔で酒を飲んで来られた人。別に酒を飲んで来ても騒いだりしなければOKですが、酒の勢いで来たのかな?
他にも誰に入れればいい?とかって冗談交じり(時には真剣に)に聞いて来る人。
選挙の事務員は中立なので、当然答えられず。ですから私が担当の時には、こういいました。「記載台に書かれた候補者で支持する方の名前をお書き下さい」あまりに事務的ですが、これがいっぱいいっぱい(苦笑)
それからマシな候補者出せとかと言った文句は投票所で言われてもどうにもなりませんのであしからず(これも言われた。。)
さてこんなところです。
そうして、投票の終わりが近づくと投票用紙枚数と来た人数、はがきの回収枚数とのチェックを行いながら業務を行います。
投票用紙は厳重に封をしてあるパックに入っていて、たとえば1000枚とか500枚ごとの束になっています。開けなければ良いのですが、開けた場合は最後に何枚残っているか勘定しなくてはならなくなります。ですから、最後の方は次の用紙のパックを開けるのかどうかドキドキだったりします。
そうして、20時になると投票所の閉鎖が言い渡され、閉鎖します。
因みに時間は電話もしくはラジオの時報を合図にします。
終わると同時にまずは、枚数チェックなどを再度行い、その後は管理職の方々が投票箱を開票所に運びます。大抵はタクシーを使います。
残った人は片づけなどを行い帰ります。
さてさて、今度は開票所を覗きましょう。
開票所の開票している場所には入れませんが、その外(体育館とかで開票なら体育館の見学台など)なら大抵はマスコミなど用に解放されています。一般の人は入れるのかな?わかりませんが自分の場所は一般の方も居たような気もします。
開票所に続々、投票箱が届き、手続きを経て開票台に乗せられます。
もちろん、開票台は選挙区、比例など別々になっています。
まずは、開票する人が変な紙やペンを持っていないかチェックされ、その上で開票所に入ります。
全てが届くと、ここにも開票管理者と立会人がいて、まずは投票箱に鍵がかかっているかチェックを受けます。
その後は、21時の時報を合図に鍵が開けられ、開票します。
まずは、点字投票の用紙の捜索となります。
点字投票用紙は他と違って色と紙質が若干違いますのでそれを頼りに探すのです。
なぜ探すかと言うと、選挙管理委員の人が解読するのに時間がかかるからです〜。
続いて、間違って混じった票。たとえば選挙区に比例が混じったりしていれば、正しい開票台に持って行かれます。だから種別ごとに用紙の色が違うのです。
それが済むと、全員で開票です。まずは不明票や白票を別のところにいれます。
こちらは選挙管理委員の人がどうするか審議します。
明らかにわかる票は、分別していきます。
また、なるべく投票者の意志をくみ取り開票するので、ローマ字やひらがななどでも、ちゃんとその人や党に入ります。
とはいえ開いていると変な票がいっぱいあります。
たとえば、この票を開くと不幸になる不幸の票とか。。
全員不適格とか書かれた批判票。
まぁしかし、これらは白票と同意だと思われるので、まぁ良しです。(あまり良くないかもしれませんが。。)
問題は、意図が不明な票やどうしたら意志が読みとれるのか分からない票。
たとえば、ある選挙区で候補者がこうだったとします。
A党 北海太郎
B党 東京花子
するとB党 北海太郎などがあります。。
せっかく政党名まで書いたのに政党が間違え。
こう言うのは選挙区の場合は、普通は候補者名が優先されます。
因みに比例なら政党名が優先です。(だと思いますが、違ったらごめんなさい)
また、選挙区なのにA党とだけあるばあいは無効です。
逆に比例代表なのに北海太郎も無効です。(参議院の比例は非拘束名簿なので別)
それから、違う選挙区の人の名前も無効です。(←それでもこれらはいつもある)
自分の名前と思わしき候補者ではない名前や芸能人とかも当然無効です。。(なぜかSMAPとか書いてあるのがあった事が。。意味不明)
それから極めつけは北海花子というように二つの候補の名前が混じっているやつ。。
これは選挙管理委員行きで審議ものですが、恐らく二人の候補者に分配されると思われます。
とまぁこういう様な様々な票と格闘します。
まぁ記載するときのミスなどは避けられませんし、仕方が無い面もありますが、なるべく正しく書きましょう〜。
それから、そちらが一段落すると第二分別をします。ここではある候補者名や政党名ごとに分けられた票を更に間違えがないか最終確認します。
これが終わると集計します。集計は自動枚数計測器(お金の札を数えるようなやつ)で、計測しますのでここまでくれば、後は人手はいらないので、バイトは帰らされます。
因みに必ずマスコミの計測の人がいて、望遠鏡などで開票の様子をチェックし、開票の発表前におおよその枚数を確認して、当確などを出します。
とまぁこのような人たちによって選挙は運営されています。
皆さんも政治に関心のある人はもちろん。関心の無い人も一度は足を運ばれてみては如何でしょうか?
それでは〜。
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