前回のコラム関連で、みなさんにこういった現実も知ってもらえたらいいなと思って書いてました〜。

 

CO2の削減ネタで、テレビなどでも木を植えましょうとか出てきますよね。その通りで、よく思うのがCO2の削減には木を植えるといいということです。私も大学入るまでは単純にそう思っていました。

 

しかし現実はそう単純ではないのですよ。よく考えてみてください。

 

まずは、ケース1は破壊された森林の再生です。この場合は、森林が再生されますね。これは、今まで有った森林を回復させた分だけCO2は木に炭素(正しくはセルロースなど)として取り込まれ炭素は固定されます。

ちなみにセルロースとは簡単に言えば木の繊維分とでも言いましょうか。まぁ、名前は大して重要では無いので分からなくても結構です〜。

それましたが、CO2は取り込まれ固定されますが、それは有ったものが復活したに過ぎませんよね。つまりは元に戻しただけです。ですから大気中のCO2は木を切る前に戻っただけと考えられます。

 

次にケース２で砂漠を緑化した場合でこちらは、無かった物の新生ですからCO2は、新規に固定されます。つまりは新規固定され、大気中のCO2は減ります。

 

あれれ、これなら良いじゃないと思いますよね。しかしこれが落とし穴です。

まずは、皆さんが使っている主な燃料は何ですか？木ですか？違いますよね。石油や石炭、つまりは化石燃料ですよね。あれは、太古の生物が地中で圧力などの変化を受けて変化したものですが、あれは木と違って事実上、元に戻せませんよね。と、言うことは化石燃料を燃やした分のCO2は事実上固定できないのです〜。

 

あれ、ケース2では植えた分、減らせるのではと思うかもしれませんが、木はある単位面積辺りに一定量しか生えませんよね、そしていつかは寿命が来て倒れ、腐敗し CO2に戻ってしまいます。つまりは、面積辺りに固定できる量が制限されています。更に木を植えて育てられる地域もそんなに多くありません。砂漠の緑化などと言っても砂漠の外縁付近が限度で、たとえばサハラ砂漠の真ん中とかは今の技術では木は植えられません。

 

では、どうしたら減らせるのかと言えば方法は一つしかありません。石炭を使った分だけ育てた木を切り、それを地中深くに埋め何万年もかけて石炭に戻し、石油は動物で同じ事をしなければなりません(石油の起源にはまだまだ諸説ありますが、ここではプランクトンなどの動物の死骸を起源とした説を採用しました)。

 

そんな訳の分からない年数がかかって、お金にならないことは誰もしないでしょうね〜。と、言うわけで、化石燃料は燃やした分だけCO2が増えてしまうのです。

　それでも最近は、CO2を地中深くに圧力をかけて固定し代わりにメタン(CH4)を取り出す実験が北海道の旧産炭地の夕張で昔の坑道なども利用して行われています(興味が有る方は調べてみてください)。しかし、これが実用化しても日々、排出されるCO2に比べると少ない量でして問題の解決には新エネルギー開発などもっと色々な分野での技術と総合してやっていかなければならないでしょう。

 

最後になりますが、木を植えるのは無駄だ、みたいな話をしましたが、もちろん、植えないよりも良いですし、最近では再生可能な資源としても各方面から注目されています。さらには、都市なんかに植えられた緑には、CO2問題以上に人を和ませる効果とかもありますよね。そういった意味では植林も重要な環境対策の一つと言えるでしょう。

　最近、中東の紛争や中国での原油の使用量増などを受けて原油価格が上昇しているのは誰しも知っていることだろう。たぶん、原油需要はこれから増える一方だと思われるので、価格は高止まりするだろう。

これから冬になるので北海道に住む私としても灯油価格上昇は大変な問題である。またガソリン価格が上昇するので私をはじめとしたクルマ好きな方にもツライご時世であるし、産業界にもあまり良くないであろう。

　しかし、何か事柄が起きるとそれによってプラスに働くことも必ずある。今回、思ったのは原油価格上昇による環境に対する効果である。たとえば、みなさんも灯油価格が高い分だけ使用を控えると思う、それって省エネに貢献している事になるのでは無いだろうか。

　私自身も今までは、どちらかというと暖房をいっぱいつけていて、どうせあまり暖房代変わらないしー。とか思っていたが、たとえばそれがお金に直結するとなると今まで以上にこまめに温度管理をすると思う。そういった意味では、エネルギーの大切さを教えてくれているように思う。

　それから温暖化問題に消極的だったアメリカでもハイブリット車が売れ出したように原油価格上昇を契機に、より新エネルギー開発や産業の省エネルギー化が進んで行けばいいと思う。

　最後に、余談だが灯油価格は上昇しているが、kcal(キロカロリー)あたりの値段は、まだまだ最低であるので、石油が便利な燃料であることには、未だに変わりないのもまた事実である。