マブラヴ感想 ネタバレ有りver1.00
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プレイ期間2006年夏
こちらはネタバレ全開で話したいと思います。未プレイの方はよく考えてお読み下さい。
更に今回は、ネタバレはもちろん、F-15の書きたいように好き勝手に書いておりますので理解不能な部分もあるかと思います。
その点もご了承下さい。
F-15のこれだけは言わせて。
技術系のこと
いきなりですが、まずはちょっと気になった技術系の事について書きたいと思います。
普段は、あまりゲームでは、このネタには触らないようにしてますが、本作では様々な機械や兵器や理論が忽然と出てきています。と言うわけで、エセ技術者のF-15的にちょっとした突っ込みを〜。
アンリミ、オルタでは、宇宙人(正しくは人ではないが)のベータというものに攻撃を受けておりそれに対抗するための兵器として人型の戦闘機械、通称「戦術機」が用いられます。
なので、こちらの世界では飛行機として作られた「F-4」などは名称はそのまま人型の兵器になっています。
なぜ、こういった形になったかは、敵がレーザー兵器を持ち、航空機はすぐに打ち落とされるので代わりの兵器が必要になったとのことです。
と言うわけで、主人公は戦術機のパイロットとして戦い、カッコいいシーンも多く、それほどロボット兵器好きではない私も楽しめた訳ですが、やっぱり飛行機好きの私としては、飛行機が出ないと納得行かない。と言うわけで、まずは、この点を少し考えてみたいと思います。ただ、これはあくまで私の意見なので悪しからず。
戦術機対航空機
航空機は現代戦の花形です。何故かと言えば高い機動性。海上、陸上、山岳とどこの上空でも基本的に作戦出来る汎用性。それから陣地を作っても陸上兵器どうしの戦いでは有効な事が多いですが、航空機は三次元的に攻撃できるので、地形効果をかなり無効化できる事にメリットがあります。
一方で戦術機はマブラヴでも触れられていますが、たとえばキャタピラーと足を比べてもらうといいのですが、足の方が地形に左右されない上に、人型だと色々な兵器が使えて汎用性も高いとの事でした。確かにその通り。たぶん実際にあれば陸上兵器では最強の部類でしょう。
しかし、ゲームやアニメではポピュラーなのに人型兵器が今まで実用化されなかったのは、コストと技術の問題です。
まずはコスト。
足とキャタピラーをもう一度比べてみましょう。どちらが部品が多くなりますか?明らかに足ですよね。こと兵器では、その性能もありますが、メンテのしやすさ、壊れにくさも非常に重要です。すると、メンテがし難く運用面で問題があります。その上、部品が多く複雑だと高くなる。これが問題です。
次に、人が歩くと実際には感じませんが結構な上下をしています。こういった機械のなかに人が乗り込んで戦闘なんて現在の技術では不可能です。その上、一人の人が操作できるのは両手、両足での操作が限界。関節の多い人型機械の操作についても現在の技術では不可能と言うしかありません。
その上、生物では2乗3乗の法則というのがあり、大型化すると体重は3乗に比例するのにそれを支える面積は2乗なので、ズングリしてくるというものです。
これは機械にも通じる部分があり、材料強度の増加によりある程度は相殺できますが、あれだけのスマートな構造物が俊敏に動くというのは無理な感じがします。とすれば、80km/h以上で走行可能な現代の戦車などに比べて機動性でも見劣りします。。
とまぁ、これだけ多くのデメリットがあるとはいえ、もしもこれがデメリットを克服し実用化されたとしましょう。そうすると一番の天敵は航空機です。マブラヴの戦術機が陸上兵器中では最も機動が良いとしても航空機に比べると当然劣ります。その上、足などを破壊されるとそれで終了。
そう考えると非常にもろいのです。これなら同じコストで大量の対空ミサイルや戦車を配置した方が効果的ということになってしまいます。特に現代戦での主力はミサイルでして、これに数kmや数十km先から狙われたらアウトです。
この理論はベータに対しても同じだと思われたのですが、本作では敵がレーザー兵器を持っているので、航空機はすぐに打ち落とされ、使えない。従って、陸上兵器の強化が必要となり戦術機が生まれたとの感じの話でした。
でも実際にそうなのでしょうか。ちょっと意地悪に掘り下げてみたいと思います。
検証レーザー兵器
レーザー兵器は非常に高出力、高放熱性であり、更には光の焦点が数マイクロやナノでの制御が必要とされるので、あんな歩く砲台的なベータのレーザー級で打てるのか?という問いがまず先に考えられましたが、ベータは宇宙から来たもので、どうやら地球には無い謎の元素なども作っているようなので、その点については宇宙人の科学力を考慮して考えないとしましょう。
ですが、人類側はいくらこういった技術が進んでいても、やはり現状の技術の延長でしょうから、それを考慮しなければなりません。
作中では、レーザー兵器により
→大気圏航空機はすぐに打ち落とされる
→大気圏外は安全
→(超低空)ほふく飛行も安全
→塗膜処理で多少なら照射に耐えられる
→コンピュータ処理で多少なら回避できる
などの説明がありました。
まぁ3つ目の超低空飛行は良しとしても他は??というものが多いです。
まずは、回避。レーザーは当然光りです。現在、人類の使える最も早いものは光。
では、これをどうやって検出するのか?当然無理。
だって、レーダー波だって光の速度ですよ。レーザーをたとえばレーダーのようなもので、検知してもこちらにはレーザーと一緒のタイミングで戻って来ます。つまり避けるの無理。。
第一弾を避けたとしても、更にミサイルとの違いはレーザーは照射中はずーっと破壊力を持ちます。つまりは打ちっ放しで射程のない機銃ですので発射側で狙われれば、もしも回避行動取っても無理。
次に大気圏外が安全とありますが、これが一番の問題。
例えば、ミサイルであれば大気圏外には弾道ミサイルのような高速なものなどでなければ行けませんが、レーザーは先ほどから言っていますが、光。あっという間にねらい打ち。1万メートル先の目標でも0.数秒で打ち落とされます。
地球上の広い面積から狙われる大気圏外は一番危険だと思うのですが。。
それから塗膜処理。どんな塗膜か触れられていませんでしたが、本当に高出力のレーザーにとっては、塗膜なんてあっという間に蒸発です。これも甚だ怪しいと思います。
霧の日に攻撃!?
ただ、作中では重金属の雲を作ってこれでレーザーを弱めるとありました。これに関しては私も納得。レーザーは光なので、エネルギーを途中の経路でロスさせればOKなのですよ。このロスさせる方法が一番理想的です。
でも待てよ。こんな重金属なんて使わなくても身近なこういうのあるじゃん。
それは、霧や雲。霧のなかって見通しが利きませんよね。これは光が水の細かい粒子で散乱されて目に届かないからです。ということは、レーザーは光ですから、実は霧の中で攻撃すればレーザー兵器は有効に使えません。あまりに単純ですが、世の中こんなものです。
特に霧の濃い日なんかは、相当高出力のレーザーを連続で照射しても、数十〜数百メートルくらいしか飛ばないのではないのでしょうか?
と言うわけで、作戦は霧の日に決まり。そうすれば、レーザーの心配は無し。
そうでなければ、雲が厚い雨の日に上空から攻撃すれば、まずレーザーは届きません。
それから、低空飛行は可能との事でしたが、確かにレーザーはどちらかと言えば高速で近くを飛ぶものには照準を合わせにくそうなので、これもわかります。何故照準を合わせにくいかと言えば、同じ速度の遠くに見える飛行機と近くに見える飛行機だと、近いものの方が速く動いているように見えませんか?このように射程が事実上は無いような兵器の場合には近くの物の方が照準を合わせにくいと考えられます。
その上、低空を飛行すれば照準を合わせにくい他にも地形を盾に出来る事や何よりも敵の攻撃を受けにくくなります。何故かと言えば、高空飛行をした方が地上の広い範囲を見渡せます。つまりは逆に言えばその広い範囲から狙われるということです。
レーザーの場合には光であり直進しか出来ないことから、見えないものに照準は合わせられません。従って、このような特性が現れます。
でもこれって、逆言えば低高度で攻撃可能な攻撃機が一番有利と言うことでは??
だって、あれだけ空気抵抗の大きい飛行速度の遅そうな戦術機で狙われないんですよ。もっと早く飛べる低高度攻撃機なら狙われないに違いない。
と言うわけで、戦闘機好きのF-15が考えたこともあってかなり航空機有利に考えましたが、低高度を高速で飛べる航空機を開発すれば、戦術機以上の戦果と安全性が確保される様な気がします。そのうえ、霧や曇りの日に奇襲をかければ、なお良し。
でもこれだと、戦術機の出番が。。唯一あるとすれば、狭くて段差とかもありそうなハイブ内部だけは戦車や航空機よりも明らかに戦術機の方が良さそうなので、ハイブ攻略兵器として作っては如何でしょうか。
ちょっと意地悪な感じでしたが、航空機がそれだけ優秀なものだってことで、ここは一つ。
それからセコいからかもしれませんが、既存の兵器でベータに有効だと思われるのに出てこなかった兵器としては、まずは地雷や機雷。
これって初歩的に見えて、敷設だけすれば人が居なくてもいいから、有る意味では安全ですし、知能の低そうなベータには打ってつけだと思ったのですが、出て来ない。
私としては、地雷をベータの進路に敷設すれば、対人地雷でも小型種のベータに対してなら有効だと思うので、そういった事を思いました。
他にも本当に地下を攻撃したいなら、バンカーバスター(地下攻撃用ミサイル)を更に改良すれば?とか色々と思い当たらないでもないのですが。
他にもどうやってあんな廃墟だらけの場所で精密な最先端兵器の保守部品を作っているのか?だって、高度な製品というのは高度な部品が合わさって製品になるのですよ。
例えばクルマだって、高度な製錬技術で出来た特殊鋼とか、そこから加工工場で高精度で打ち出された鋼板とか、そういったものが集まって高性能な自動車となるのです。戦車や戦闘機や艦船なんかだと更に弾道計算用などの高性能なコンピュータなども入ってきます。たぶん戦術機も同じ筈ですが、あんな戦時に鉄とかを精錬したりする施設はどこに無事であるのかな。石油はどこから取っているのかな?化学工場は?
その他、疑問を上げればキリがないのですが、まぁその辺は置いときましょう。
政治について
何だか内容的にちょっと軍国主義時代的な感がしないでも無い気がするのですが、まぁ宇宙人相手とはいえ、戦争状態な訳ですから戦争遂行には一番都合がいいですし、まぁそれはそれですかね。。一方で、安全保障面など深く考えれば、現在社会にも通じるような考えさせられるような内容もあるんで一石を投じたと思えばそんな感じもします。これは見る人によって違う感じを受けると思います。
キャラについてなど
遙たん〜。
本作では君のぞとかのキャラも出てきまして、私の好きな遙たんキタと思いきや。。
またしても水月に何だか良いところ持ってかれた感じが。。遙たんが表舞台に来る日はくるのかな。。
霞たん〜。
本作では前作以上に登場したし、キタと思ったら、攻略不可。。
どうにかして下さい〜。
純夏萌え。
本作をやる前はエクストラで最後に純夏か冥夜かを選ぶのに迷ったのですが、今はどちらかというと純夏よりになっています。というのも運命のようなもので、主人公の記憶が周りの人から抜けて行くという状態になった時に、彼女だけは絶対に忘れないように趨勢に抗うように頑張っている姿をみて、すっかりメロメロになってしまいました〜。
純夏萌え〜。
終わりについて。
最後は無事にこちらの世界に戻って来ますが、尊人が美琴になっていたり、死んでいるはずの冥夜のお姉さんが生きていたり、霞が居たりと、前のエクストラの悲しい事も全部無しな上に、オルタの霞までいる様な世界になっていまして。
ああいった戦いに明け暮れた世界から戻ると確かに幸せだな〜。と言う感じがしました。
それから、霞だけは前の世界の記憶を持ち続けているから、最後に純夏にお礼を言ったりしていたのでしょうね。この後の展開も非常に気になりますが、ゲームはここで終わりだと言うのもニクいところ。何故だか最後、こちらの世界に戻って来たときには手放しで感動してしまいました。
さて、こちらのネタバレ有りはホント、好き放題言って私自身でも何が何だかわからん感じになりました。せっかく見てくれた方OTL..
まぁ総論をもう一度言うと
良い点
色々と考えさせられる。
AGESシステムや画像が16:9(オルタのみ)になっているなど見ごたえがある。
カッコええシーンが多いので熱くなれる部分も。
特にロボット系が好きな方には良いかも。
最後には感動。
悪い点
内容が難しい部分もあって、意味不明なところも。
エクストラから始めると神様もビックリの長さ。オルタだけでも長い長い。。
更にそれぞれ別のソフトとして投資が必要。
グロシーンが少しあり(F-15は大丈夫でした)。
主人公だけ生き残る最後の終わり方には賛否両論もありそうな感じ。
と言うわけで時間が長いなど、幾つかの問題?と言いますか、ちょっと取っつきにくい部分はありますが、やって損は無いと思うので時間が非常に有る方や大作をやってみたいというと言う方にはお勧め出来る作品だと思います。
それでは〜。
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